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大嶋拓人  - ,,,  09:00 PM

「CEOはバカでいい!」仏メーカーのユニークな組織運営術

「CEOはバカでいい!」仏メーカーのユニークな組織運営術

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会社を経営するには何が必要でしょうか? これまでは有能で強いリーダー、統率の取れた組織、優れた仕組み、厳格なルールなどが必要だと考えられてきました。でも、もしそれが間違っているとしたら? もし「上司がいない組織」や「自律した組織」のほうが優れた組織だとしたら...?

今回は、企業アドバイザーで著名な講演家でもあるMatthew E. May氏の著書「In Pursuit of Elegance」より、「自律した組織を作るヒント」を紹介します。



銅合金の自動車部品設計を手がけるフランス企業「FAVI社」を見てみましょう。同社では約600名の社員を雇用していますが、30年ほど前から「人事部」にあたる部署がないまま事業を続けています。この背景には、1983年に同社のCEOに就任したJean-François Zobrist氏の存在があります。就任当時、彼がまず最初に始めたことは「人事部を解体すること」でした。しかし、彼が解体したのは人事部だけではなかったのです。


「現場の人に仕事を任せる」という経営哲学

自分で自分のことを「バカで怠けている」と言うCEOはあまりいないでしょう。初対面の記者から取材を受けている時であればなおさらです。一見突飛に聞こえますが、これこそ「現場の人に仕事を任せる」というZobrist氏の経営哲学なのです。

彼はこう言います。「社員が会社で何をしているか、私は全く理解していません

つまり、彼自身は現場の仕事をするスキルも専門知識もないため、現場の社員に「口出ししてはいけない」と考えています。彼はCEOとしての仕事を「社員のヘッドライトとフロントガラスになること」と考えています。これは「ヘッドライトで行き先を照らし、フロントガラスで視界を確保する」という意味です。Zobrist氏はとても個性的な人物ですが、FAVI社の社内制度も同じくらい個性的です。


中央集権的な組織運営の廃止

FAVI社には人事部がないだけでなく、社員の階級が全くありません。中間管理職や経営幹部会議もなく、勤務時間を管理するタイムカードや就業規則もありません。FAVI社では「人事」「労働者」「従業員」という言葉は存在しないのです。

Zobrist氏は「組織に根付く慣習のほとんどに意味はない」と断言します。「会社を中央集権的に管理しようとすれば、無駄な作業やルールがどんどん増えていくのです」

しかし、FAVI社は最初から個性的だったわけではありません。

実際、Zobrist氏がCEOに就任する前のFAVI社は今と全く違う会社だったそうです。工具を使いたいときは管理者の許可が必要で、盗難を防ぐために厳しいセキュリティがかけられていました。勤務時間を管理する担当者もいて、遅刻した社員を罰するのに喜びを感じているようでした。また、一定の温度以上の職場で働いた労働者に対して「特別手当」が支給されていたため、夏の暑い日でも職場の温度を上げるために社員がわざと窓を閉め切っていました。経営企画部という部署がありましたが、なぜ不具合が起こったか調査をするばかりで実際に何かを「企画」することはありませんでした。

Zobrist氏がFAVI社の経営を任された時、彼は同社の仕組みに強い問題意識を持ちました。Zobrist氏は次のように続けます。

当時の仕組みでは、CEO以外はみんなバカでも良かったのです。現場の労働者に何かを聞けば「わからないから管理者に聞いてくれ」と言われます。そこで管理者に聞けば「わからないから課長に聞いてくれ」と言われます。その課長も、その上の部長もわからなければ「CEOに聞いてくれ」となるわけです。

Zobrist氏はこの仕組みを真逆にしました。彼は笑顔でこう答えました。「これで、一番バカなのはCEOということになります

彼は「現場の人に仕事を任せる」という哲学を徹底しました。


「組織のための組織」から「顧客のための組織」へ

Zobrist氏はCEOに就任した次の日、全社員を集めてこう言いました。「明日から、私や上司のために働く必要はありません。代わりに、顧客のために働いてください。私から給料をもらうのではなく、顧客からもらってください。すべての顧客はそれぞれ工場を持っているので、そこで必要とされている仕事をしてください」

彼は、この哲学の下で会社の中央集権的な仕組みをすべて廃止しました。人事部、製品開発部、購買部などはすべて解体されたのです。

その後、Fiat社、Volvo社、Volkswagen社など、それぞれの顧客に合わせて20のチームが作られました。それぞれのチームは顧客対応を任されていただけでなく、人事、購買、製品開発の役割も任されていました。

チームの中には3種類の役職しかありませんでした。リーダー(チームリーダー)、コンパニオン(複数の仕事をこなす作業員)、リンチピン(顧客担当者)です。それぞれの顧客には最低1人のリンチピンがつくことになっており、顧客との関係を総合的に管理します。リンチピンは非常に重要な役割のため、Zobrist氏が自ら選んだ人材だけが担当しています。

つまり、Zobrist氏がしたことは、FAVI社をフラットな組織にして、巨大な工場を20の小さな工場に分けたことです。役職や昇進に意味がなくなったため、社員は仕事そのものに集中するようになりました。この結果、社員の生産性は大きく向上しました。

顧客への説明責任は上司にあるのではなく、それぞれのチームにあります。顧客の問題を解決するためなら、社員は自由に新しいアイデアを試したり、新しい技術を取り入れたりできます。業務時間が終わった後でも、社員は自分の意志で仕事をするようになりました。設備、工具、作業場、工程設計なども含めてすべてが現場の社員に任せられたのです。

FAVI社の社員は自分で考えて判断することが奨励されています。これは、日常業務の改善や顧客要求などに素早く取り組むのに成果を出しました。しかし、一部の顧客は納得がいかなかったそうです。Zobrist氏は、FAVI社で顧客による工場監査があった時のことを語ってくれました。


監査では、出荷が遅れた際の「対応マニュアル」がないと指摘されました。そのような場合、社員はどう対応すればいいのか、手順が決まっていなかったのです。しかし、私はこう言いました。「弊社は10年以上の納入実績がありますが、その間に一度でも出荷が遅れたことがありますか?」 彼らは「いいえ」と答えました。「出荷が早すぎたことがありますか?」彼らはまた「いいえ」と答えました。そこで私はこう言いました。「それならばマニュアルは必要ないでしょう」と。


確かにその通りです。

結局のところ、Zobrist氏がしたことは「無駄な機能を減らすことで、新しい価値を増やす」ということでした。
考えてみれば、これは今日の有能なデザイナーがしていることと同じなのです。


Matthew E. May(原文/訳:大嶋拓人)

Photo by Thinkstock/Getty Images.

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