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年吉聡太年吉聡太  - ,,  08:30 PM

「21世紀を生きる人のために」~クリス・アンダーソンが米WIRED誌を辞める今、思うこと

「21世紀を生きる人のために」~クリス・アンダーソンが米WIRED誌を辞める今、思うこと

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「いまは"1984年"だ」と語る彼の言葉にピンとくる人も多いかも知れません。米ワイアード誌の編集長として辣腕をふるってきたクリス・アンダーソン。彼の新刊『MAKERS』は、「欲しいものは自分でつくる」新たな時代の到来を予見した一冊です。実際に本書には、3Dプリンタで自由にものづくりを楽しむ彼の姿がいきいきと記されています。

11月8日、来日した彼にインタビューを行いました。折しもインタビューの数日前には、12年勤めたワイアードを離れ、自身共同設立者でもあった3D Robotics社のCEOに専任することが報道されていました。

なぜ彼は編集長の席を降りるのか。彼の語る<メーカー・ムーブメント>は世界を巻き込み得るのか。そしてそのとき日本はどうなるか。内容は以下より。


僕らはみんな作り手(メイカーズ)だ。人間は生まれながらのメイカーズで(お絵かきや積み木やレゴや手作りおもちゃに夢中になる子供を見るといい)、もの作りへの愛情は、多くの人々の趣味や情熱の中に生きている。

(『MAKERS』20ページより)


── まずは、本書をお書きになった経緯を教えてください

最初に自分が<メイカー>であることを自覚したのは5、6年前のこと。我が子と一緒におもちゃづくりに熱中しているうちに、同じことを事業にしようと会社(3D Robotics)を起ち上げた。そしてその経験をもとに本を書き、そしていま、その事業を自分のキャリアの中心に据えようとしている。

121108interview-with-chris02.jpgいま3D Robotics社は規模を拡大し、約40人の従業員を抱えている。これまでワイアード誌での時間の中からやりくりして関わってきたが、会社が大きくなるにつれ、より多くの時間を割かねばと思うようになってきた。また、いくつかのベンチャーキャピタルに投資の話を持ちかけたところいい反応が返ってきたこともあって、フルタイムのCEOになるタイミングが来たと考えるに至った。

いくつもの仕事に関わるよりも、ひとつのことに集中してみようと思ったし、自分を必要とされていると感じた。そして何より、心からやりたいと思ったことにいま再び出合えたと感じたのが大きい。

もうひとつ理由を挙げると、ワイアード誌自身がいま、大きな成長を果たしていることがある。この段階で誰かに仕事を引き継ぐのは、もっともな話だと考えている。自分自身もある程度のところまでやれたという自負があるし、ワイアード誌も、他の誰かの元で伸びていくタイミングなのではないかと思った。


── 本書では、発明家であったお祖父さまの強い影響を語っています

子どもの頃、毎年夏になると、発明家である祖父とともに過ごし、一緒に何かをつくる日々を過ごしていた。しかしそれから月日が経ち、そのこと自体を忘れてコンピュータなどを中心としたデジタルの世界に生きていた。

しかしあの日から30年後、子どもと一緒に何かをつくるということを通して、自分なりの「メイカー」のあり方を再発見できた。それはつまり、<デジタルを通したものづくり>。12歳くらいのときまでに祖父に植えられたものづくりの種子が、いま芽吹いてきた実感がある。

私の祖父は発明家であるだけではなく、自らも手を動かせる作り手でもあった。一方、私にはものをかたちにするスキルがない。ただ、いま、複雑なものでもボタンひとつで何かを作り出せる環境が実現されている。スキルがなくても、マシンやソフトウェアに仕事をさせられる。アイデアさえあれば、プロトタイプをつくりだせる。われわれは、思ったことを実現できる段階まで辿り着いている


── 一家に一台3Dプリンタという時代が来るのでしょうか、またそれはいつになりますか



ローランドが発売している3Dプリンタ「iModela」の使用例動画(iCreate|ローランド)


コンピュータの歴史でたとえれば、メイカーズ・ムーブメントはいま、「1984年」にあると思う。その年、Appleは最初の「使いやすいコンピュータ」であるマッキントッシュを世に送り出した。それからどれほどの月日が経って、各家庭にパーソナルコンピュータが届くようになったかを考えればいいかもしれない。

1984年当時、パーソナルコンピュータに対して「なぜこれが必要なのか」という問いが投げかけられていた。いろいろな答えが用意されてたが(ビデオゲームを楽しめるとか、ワープロの替わりになるとか表計算をするだとか)、いま、コンピュータはコミュニケーションツールであり、ウェブを司る存在になっている。

3Dプリンタは当時のマックと同じような価格・サイズで、操作も簡単になってきている。「3Dプリンタが各家庭に必要なのか」という問いには、84年当時のコンピュータのようにいろいろな答えが考えられる。

10年後、20年後、3Dプリンタがどのような存在になるかは分からない。ただ、いまの私自身の答えとしては、3Dプリンタは「子どもが家のなかで、何かプロジェクトをつくりだす」ための存在。娘は自分の人形のポーチを作り、息子はおもちゃの武器を作る。私自身も、自分の関心あるプロジェクトのプロトタイプを作り出すのに活用している。


── メイカーズ・ムーブメントは日本でも普及しますか

アメリカや欧州に比べれば、日本はまだこれからという状況だ。ただ、もっと広まるはずだと思っている。なぜなら日本はそもそも製造業が盛んだし、イノベーションが盛んな国だとも思っているから。

個人的な意見だが、これから迎えるクリスマスには、ぜひ3Dプリンタを子どもにプレゼントしてもらいたい。学校や自宅にデジタルなものづくりができる環境が整えば、そこから<次世代のデジタルなメイカーたち>が生まれてくると思っている。手に届く場所に3Dプリンタがあると、子どもたちは「想像(imagine)したことは創造(create)できる」ということを自ら学ぶだろう。

3Dプリンタを用意するということは、「21世紀を生き延びなければならない子どものための準備」(to prepare for the children of 21 century)なのではないかと思っている。

(インタビュー収録日:2012年11月8日)


クリス・アンダーソンには、兄弟メディアの「ギズモード」でもインタビューを行いました。メイカーズ・ムーブメントから生まれたガジェットの話など、違った切り口で採り上げています。こちらもあわせてどうぞ。


MAKER MOVEMENT|NHK出版

(年吉聡太)

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