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長谷川賢人  - ,,,,  01:00 PM

「母国を離れよう」21世紀の働き方を現代ロシアの偉大な作家から見る

「母国を離れよう」21世紀の働き方を現代ロシアの偉大な作家から見る

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ドストエフスキーやゴーゴリを生んだロシア文学。そのロシアにおける権威ある三大文学賞をすべて獲得した初めての作家がミハイル・シーシキンさんです。最新長編『手紙』(奈倉有里・訳、新潮社)の刊行にあわせ、東京大学で行われたシンポジウムを聴講してきました。

シンポジウムにはシーシキンさんをはじめ、以前より親交があるという作家の島田雅彦さん、早稲田大学文学学術院教授の松永美穂さん、東京大学教授の沼野充義さんも参加。『手紙』への感想をはじめ、シーシキンさんの文学感や今後の展望にも迫る言葉が交わされました。

今回はその中から、シーシキンさんが考える「作家像」の話を以下にご紹介します。これからの時代を生きる私たちが「働くこと」を考える上で、ひとつの道しるべになると感じました。


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沼野さん:『手紙』はベルリンとアメリカで書いたそうですね。シーシキンさんは以前よりスイスに住んでいて、現在はベルリンに滞在していらっしゃいます。いわばずっと「亡命者」のように、ロシアから離れたところで暮らして、小説を書いてきたわけですけども、シーシキンさんは自分のことを亡命者と考えているのでしょうか。ロシア文学では、ナボコフやソルジェニーツィンなどの作家もロシアを追われた作家です。ただ、ソルジェニーツィンは20年後にロシアに帰りました。いま、シーシキンさんは自分の境遇のことをどのように捉えていらっしゃいますか。


シーシキン:そもそもこの「亡命」という言葉自体が、ロシア語においては過去の、古びた言葉になってしまいました。亡命というのは祖国に『戻れない』ということであります。私たちは21世紀に生きています。21世紀において、国境、ボーダーはありません。そして、作家はあらゆるところに住むことができるし、あらゆるところに住まなければいけません。ましてや作家であれば、自分の国を出て、他の国に住むことがとても重要であります。そうすることによって、自分を、自分の言語を、自分の国民を、自分の歴史をより良く知ることができるからです。もし、一生を自分の国だけで過ごすのであれば、それはあたかも、鏡が一枚もない家で一生を過ごすということに似ていると思います。

従いまして、私がどこに住んでいるのかという問いに対する答えは簡単であります。私はあらゆるところに住んでいる、つまりロシアにも住んでいるということですので、私はロシアに『戻る』ことはできないのです。


また、シーシキンさんは「重要なのはどこに住むということではありません。重要なのは自分の言語、自分の言葉を創りだすことです。常に生きている、アクチュアルな言語を」とも語りました。

もちろん、作家であるからこそ言葉や言語のこだわりは人一倍あると思います。そこで、作家にとっての「言葉」に値するものを、自分の大切なものに置き換えてみてはどうでしょう。例えば、「仕事」にしてみます。自分の存在を「国」や「国境」に定義せず、常に生きている「仕事」を創りだす...創職という単語も思い浮かびますが、働き方のひとつの形態が見えてはこないでしょうか。


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シーシキンさんの最新長編『手紙』は、遠く戦地へ赴く青年ワロージャと、残された少女サーシャが交わす手紙を中心にした書簡体小説。時に激しい恋の気持ちを交えながら、不安や自分の境遇を報告しあう内容に、温もりとくすぐったさを感じることもあります。しかし、実はふたりは異なる時代に生きていることが次第にわかります。時空を超えて綴られる愛の言葉の行く先は...という、少々変わった恋愛小説です。

また、明日2012年11月7日(水)19時30分より、東京・代官山蔦屋書店1号館にて、 『手紙』刊行記念のシーシキンさんミニトーク&サイン会が行われます。ゲストには島田雅彦さん、沼野充義さんも登壇(詳しくはこちら)。シーシキンさんの言葉をより感じたい、これからの時代を創る作家にいち早く会ってみたいという方は参加してみてはいかがでしょうか。代官山蔦屋書店によると「残席あり」(2012年11月6日12時現在)とのことです。


最後に、『手紙』より印象に残った文章を。「人はなぜ他人なしでは生きられないのか」に対する、暖かくも力強い返答に感じました。


たぶんね、本物になるためには、自分の意識のなかじゃなくて──自分の意識なんていうものは、眠ってしまえば自分が生きているのか死んでいるのかさえもわからなくなるような頼りないものだからね──、だれかほかの人の意識の中に存在しなくちゃいけないんだ。それも誰でもいいわけじゃなくて、僕の存在を大切に思ってくれる人の意識の中に。いいかいサーシャ。僕は、君がいるっていうことを知っている。そして君は、僕がいるっていうことを知っている。そのおかげで、僕は、こんな酷い、滅茶苦茶な場所にいても、本物でいられるんだ。

ミハイル・シーシキン(奈倉有里・訳)『手紙』(39,40ページ)


ミハイル・シーシキンさんミニトーク&サイン会 | 代官山T-SITE

現代ロシアを代表する作家 ミハイル・シーシキンのトークショー | 国際交流基金

(長谷川賢人)

  • ,,,, - By

    友清哲

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