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大嶋拓人大嶋拓人  - ,,  07:00 PM

「非科学的な考え」に頼るというライフハック~迷信の心理的影響

「非科学的な考え」に頼るというライフハック~迷信の心理的影響

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マイケル・ジョーダンはシカゴ・ブルズ時代、ユニフォームの下にはいつも大学時代の練習用ショーツをはいていたそうです。彼はそれが幸運を呼び寄せてくれると信じていました。彼が6回ものNBA優勝を勝ち取った実績を考えれば、効果があったと言えなくもありません。当然と言えば当然ですが、これは魔法ではありません。しかし、この「幸運のお守り」のような一見ばかばかしいと思えることでも、心理学的には効果があるとされているのです

 


このような迷信(非科学的な考え)は、「いつも右足から歩き始める」といった小さな行動から、「不吉な数字の13をできるだけ避ける」といった少し極端な行動まで様々です。非常に興味深いのは、このような迷信が実際に人間の行動を変え、「プラスの効果」を生み「目標達成に貢献する」ということです

そもそもなぜ私たちは迷信を信じるのでしょうか? また、このような考えはどのようにして私たちにポジティブな影響を与えるのでしょうか? 米Lifehackerはこのテーマについて、コネチカット大学心理学教授で「人はなぜ迷信を信じるのか」の著者でもあるStuart Vyse博士、またサイエンスライターで『The 7 Laws of Magical Thinking: How Irrational Beliefs Keep Us Happy, Healthy, and Sane』の著者、Matthew Hutson氏にお話を伺いました。

本文の流れとしては、まず始めに「なぜ私たちは迷信を信じるのか」について話を進め、その後「そのような習慣を大切にしたほうがいい理由(また、あまり考えすぎないほうがいい理由)」について考えていこうと思います。


■迷信の定義

まず、「迷信」の定義を考えてみましょう。Vyse博士とHutson氏が提示している定義をまとめてみました。

迷信とは非科学的な考えに基づく信念もしくは行動で、機能的な精神特性を非精神的な事象に求める考え方のことです。これはつまり、迷信とは自分は常に宇宙(天)に見られていて、自分が行った行動によって世界は良くも悪くもなるという考え方です。


■なぜ私たちは迷信を信じるのか

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簡単に言ってしまえば、迷信とは心理学でいう「自己成就的予言(self-fulfilling prophesies)」です。特定の方法で行動したり特定の小さなアクセサリー身に付けていればうまくいく、と信じ込むと実際にうまくいくことがあります。信じ難いかもしませんが、これは実際よく起こることです。

ほとんどの人はこのような迷信がただの作り話だと分かっていますが、それでも効果があると思っています。Vyse博士は、私たちが迷信を信じる理由は諸説あると説明しています。

私たちが迷信を信じる主な理由はいくつかあります。まず、私たちは幼いときから迷信を聞いて育ちます。どの文化にも迷信を含む民話があるので、迷信を聞くことは人間にとって基本的な社会的成長プロセスの1つと言えるでしょう

また、私たちは日々重要なこと(試験勉強や就活)に接する世界に生きていて、そのような物事の結果は必ずしも自分たちでコントロールできることでありません。迷信はこのような文脈で現れる傾向があります。できることはすべてやったけど、結果がどうなるかわからない...そんなとき、迷信は気休めとして使われます。このような現象は心理学で「コントロール幻想(illusion of control)」と呼ばれています。特定の条件下で行動するとき、たとえそれが結果にまったく影響しない行動だったとしても、ただ座って待っているよりは気分が良くなるという現象です。

「コントロール幻想」に基づくその他の説として、Hutson氏は次のように指摘しています。

もう1つは「パターン認識(pattern-recognition)」と呼ばれるものです。人間はパターンを認識するのが非常に得意です。実際、私たちはパターン認識のおかげで学んだり、不自由なく生活できたりするのです。また、実際にはパターンがなくても、パターンがあるように見えることがあります。日々の生活の中で偶然はつきものですが、そこにもパターンを探そうとするので、「神秘的な力がそのような偶然を招いた」と考えるのです。もしかしたら自分が(または天が)このような偶然を起こして、日頃の行いを反省するように言っているのかもしれない...と考えてしまうのです。

私たちはパターン認識を通して迷信を信じるように進化したという説もあります。

進化生物学者のKevin Foster氏は「New Scientist」の記事で、私たちは進化の過程で生き延びるために迷信を学習したと主張しています。

一般的に動物は、正しかったときの場合と間違ったときの場合を天秤にかけています。草原の茂みでガサガサ動く音が聞こえたとします。音の正体はそこにライオンがいるからなのか、ただの風なのか分かりません。そのような音が無条件に怖いと感じる生物が生き残りやすいのです。

私たちが迷信を信じる理由は、物事の結果は自分で変えられると信じたいからであり、「人事を尽くして天命を待つ」間に不安を和らげたいからなのです。迷信を信じることは悪いことではなく、(この後でも紹介しますが)信じることで実際に物事がうまくいくこともわかっています。


■偽薬(気休めの薬)は心と体の能力を向上させる

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ここで偽薬(気休めの薬)について少し話しておきたいと思います。

偽薬を飲んだとき、人間の脳はドーパミンを分泌します。ドーパミンは脳の中にある報酬中枢(the reward center of the brain)を刺激し、気分が良くなって元気になります。この反応がいわゆるプラシーボ効果(偽薬効果)と呼ばれるものです

迷信と同じように、プラシーボ効果も思い込みによる現象です。「お守りを身に付けていたからうまくいった」とか、「薬を飲んだから症状が良くなった」と思い込むのです。ある意味迷信と偽薬は良く似たものと言えます。普段よく耳にする「ビタミンCは風邪に効く」というフレーズも科学的根拠に基づいたものではなく、プラシーボ効果によるものです。

Howard Brody博士は『Psychology Today(アメリカの心理学雑誌)』で次のように説明しています。

私たち人間にはプラシーボ効果にすばやく反応する「免疫グロブリンA」という物質があります。これは、私たちの口や鼻の粘膜にあり、風邪を引き起こすウイルスの侵入を防ぐ役割を果たしています。まだ証明されているわけではありませんが、プラシーボ効果が免疫グロブリンAを刺激し、実際に風邪を予防していると考えられるのです。この場合、偽薬でも病気の予防になり得るし、その科学的メカニズムはハッキリしているのです。

また、同誌の著者Steven Kotier氏は自身の経験をもとに、偽薬と迷信の違いは分かりにくいものであると指摘しています。

私が15歳のとき、スキー中の事故でひざの皿を骨折しました。完治するまでひざ当てをしてひたすら待つことしかできませんでした。その後、30代になるまでスキーに行く度にそのひざ当てを持っていきました。もちろんひざの皿は大学を出るころまでには治っていましたが、ひざ当てなしでスキーに行くとひざが震えて止まらなかったのです。

つまり、効果があると信じて行動すれば、実際に良い結果が得られる可能性が増えるということです。この場合、偽薬を飲んだり、代替医療(東洋医学に基づく治療法など)を試したり、ひざ当てを付けたりすることで脳や体を刺激し、実際にやりたかったことが達成できたのです。


■習慣が迷信になるとき

私たちが迷信を信じる理由や、プラシーボ効果について説明しましたが、中には幼い頃にあまり迷信を聞かなかったという人もいるでしょう。例えば、筆者は人前でスピーチやプレゼンテーションをする前は、毎回会場の外を少し歩いて2分間置いてから会場に入るそうです。これは個人的な習慣のようなものですが、最初は何気なくやっていただけなのに、いつの間にかそれをしないと気が済まなくなってしまったとのこと。

このような「習慣」が「迷信」になることについて、Vyse博士は次のように説明しています。

自分だけの習慣を確立すると、心理的にプラスの効果があることが知られています。スポーツ選手のコーチは選手たちに試合の前には習慣的な行動をするように指導しますが、これは意識を集中させて不安を取り除く効果があるためで、とても理にかなっています。これを続けることでただの習慣が魔法の習慣に変わります。「試合直前に必ず白いラインを3回踏む」といった習慣がある場合、これは習慣の範囲を超えて「魔法の呪文」のようになっているのです。

習慣と迷信の違いは得られる結果によります。物事の結果が変えられると信じてやっている行動は「迷信」ですが、気持ちを落ち着かせるためだけにやっているなら「習慣」です。Vyse博士が指摘している点で興味深いのは、習慣も迷信も心理学的にプラスの効果があると認められていることです。


■合理的になり過ぎず、迷信を信じることも大事

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では、迷信を信じることで実際に物事がうまくいくのでしょうか? Hutson氏は次のように説明します。

迷信に基づく習慣は、私たちが不安なときや、物事の結果についてコントロールできないときに、小さな安心感を与えてくれます。この感覚が実際の状況でも効果を発揮して物事がうまくいくのです。

例として、「Psychological Science」で発表された研究結果を紹介します。実験では被験者全員にゴルフボールを渡し、そのうち半分の被験者にはそれは幸運のボールだと伝えました。そう伝えられた被験者はそうでない被験者と比べてパットの成功率が35%も高かったことがわかりました。幸運な気分でいることは自己効力感にプラスの影響を与えたため、成功率も向上したのです。この実験を行った研究者はその他にも、被験者のために幸運を祈る仕草を見せたり、被験者に幸運のお守りを持たせたりする実験を行いました。この結果から、迷信を信じることで特定の認知テストや記憶ゲーム、身体的な課題における成功率が上がることがわかりました。

このようなポジティブな結果は「プラシーボ効果」と「コントロール幻想」の両方によるもの思われます。幸運のお守りやスピーチ前の個人的習慣を行うことで脳の特定の部分を刺激し、予想外の状況変化に対応しやすくなるのです。冒頭で触れたように、幸運のショーツを着ることで自信がみなぎり、ポジティブな結果が思い浮かびます。新しいアイデアや可能性に対して肯定的になれるのでほかの人もポジティブになれます。幸運のお守りや習慣を持つことは、自分自身がポジティブに動けるように準備することなのです。魔法ではありませんが、極めて魔法に近いものと言えるでしょう。


■迷信を信じることで起こるリスクとその予防法

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ただ、迷信を信じることがいつもポジティブな結果を招くとは限りません。「13日の金曜日は不吉」、「黒猫を見ると不運なことがある」、「階段の下を歩くと不幸が訪れる」といった不幸な迷信を信じてもネガティブな効果しか期待できません。

実際、不幸な迷信を信じることは無意味に人を不安にさせます。Vyse博士は次のように説明します。

不幸な迷信を信じてもメリットは何もありません。このような迷信は不安を増やすだけで、せっかく行動しようと思っても躊躇してしまいます。

同じくポジティブな迷信でもそれに頼り過ぎればマイナス効果になってしまいます。ある幸運の仕草を忘れただけで気分は最悪になるからです。常にポジティブに考えるようにバランスを取る必要があります。

Hutson氏は次のように説明します。

自信過剰になってしまう可能性があります。株のトレーダーたちは自信が強すぎるのが原因で、リスクの高い取引でも夢中になってしまうのかもしれません。また、宝くじにお金をつぎ込んでしまうのも、運さえ良ければ当たるような気がするからです。不確かな結果に自信を持つのは悪いことではありませんが、合理的だと思える範囲に抑えておくことが大切です

人生で起こる大半のことにも同じことが言えますが、迷信を活用するのもバランスが大切です。実際13日の金曜日になると株の取引が控えられ、旅行に出る人は減り、金融取引も減り、映画の公開までも避けられますが、これはあまり健全な状態ではありません。

迷信のせいで悩んだりしないためにも、Vyse博士は実際の努力(準備)とセットで迷信を信じることをオススメしています。例えば、試験に幸運のお守りを持っていくのはいいですが、実際に勉強をしっかりと行えばもっと心強いはずです。

私たちの多くは程度の差はあれ、迷信を信じています。実際、それだけに頼ったりしない限り、迷信を信じることは悪いことではありません。迷信の小さな力をうまく取り入れて活用していくことが最も賢い方法と言えるでしょう。


いかがでしたか? 「木を叩いて魔除けをする」、「クロスフィンガーで幸運を祈る」といった有名な迷信以外にも、自分だけが知っている迷信や習慣、お守りはありますか? またそれにはどんな効果がありますか? 是非コメント欄やライフハッカー[日本版]Facebookページで教えてください。


Thorin Klosowski(原文/訳:大嶋拓人)

 

  • ,, - By ライフハッカー編集部LIKE

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