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大嶋拓人大嶋拓人  - ,,  05:00 PM

オリンピック金メダリストが実践した「成功する習慣」

オリンピック金メダリストが実践した「成功する習慣」

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人間の意志には限界があります。運動や料理など新しい習慣を始めようと思っても、ほかの習慣がおろそかになってしまうものです。この記事では習慣について考えてみようと思います

 


ニューヨークタイムズの記者で「The Power of Habit」の著者でもあるCharles Duhigg氏は、「キーストン習慣」と呼ばれる、成功するための習慣について紹介しています。この習慣は、ほかの習慣との相乗効果を生んで成功する可能性を高めてくれるため、ある意味「一石二鳥」の効果が期待できます。では、キーストン習慣とはどのような習慣なのでしょうか? 詳しく紹介していこうと思います。


まず、何から始めたらいいのでしょうか?

筆者が『The Power of Habit』の取材をしていたとき、「何から始めたら良いのか」という質問は常に頭の中にありました。取材をしていた最初の頃は、「習慣ループ」という仕組みを理解することに時間を費やしました。しかし、これを知っていると習慣について深く理解できるため、習慣の力をうまく利用できるようになります(習慣ループについての詳細は上の動画をご覧ください)。

ご存じの通り、私たちにはすでに多くの習慣(クセ)が身についています。一日の時間も限られているので、何から始めるべきか考える必要があります。それは、運動を始めたり食習慣を見直したりすることでしょうか? はたまた優柔不断な性格や、爪を噛む癖を直すことでしょうか? 

その答えは「キーストン習慣」という概念です。ある研究結果によると、特定の習慣は他の習慣に強い影響を与えるそうです。この習慣が「キーストン習慣」と呼ばれるもので、私たちの仕事・食生活、私生活に大きな影響を持っています。キーストン習慣には大きな力があり、長期的に活用すれば人生を大きく変える可能性も秘めています

よって、まずキーストン習慣を活用し、連鎖的にそれ以外の習慣を取り除く(変えていく)のが賢い方法と言えます。

ただ、キーストン習慣を見つけるのは簡単ではありません。まず他の習慣との見分け方を知っておく必要があります。キーストン習慣には大きく分けて3つの特徴があり、すべてのキーストン習慣にこの特徴が当てはまります。この特徴がわかれば、自分の強みについても理解できるでしょう。


1. 小さな達成感があること

2008年8月13日の午前6時30分、北京のオリンピック村のベッドで寝ていたマイケル・フェルプス氏は目覚まし時計の音で目が覚めました。彼はベッドから起き上がり、すぐに彼の「習慣」を始めました。

スウェットパンツに着替え、朝ご飯を食べるために部屋を出ました。当時、彼は週の始めに2つのレースに参加して、すでに3つの金メダル(通算9個)を獲得したばかりでした。フェルプスの歴史的な「200メートルバタフライ」は朝10時に始まる予定でした。

彼はレース開始の2時間前にいつものストレッチを始めました。腕から始まり、背中、足首へと続きました。8時30分になると、プールに入って最初のウォームアップを始めました。ウォームアップには正確に45分かかりました。9時15分、彼はプールから出てレーザー・レーサー(競泳用水着)に着替え始めました。とても密着性が高いため、これを着るのに20分かかりました。その後、彼はヘッドフォンを耳に付けてレース前にいつも聴くヒップホップ曲とともに、開始を待ちました。

フェルプスは7歳の時に水泳を始めています。彼のコーチであるボブ・ボーマン氏はフェルプスの才能を見抜いていましたが、その才能を最大限に引き出すためには習慣の力を利用する必要があるとわかっていました。そこで、ボーマンはフェルプスに小さな達成感が得られる習慣を教えました。

キーストン習慣の特徴のひとつである小さな達成感とは、その名の通りの意味。ある研究によると、小さな達成感は大きな力を生み出します

コーネル大学のある教授は1984年に「小さな達成感を積み上げることは小さな優位性を積み上げることだ」と述べています。「小さな達成感のある習慣を始めれば、体は自然に動き出してさらに達成感を求めます。」と。小さな達成感を習慣的に得ることで自信が高まり、より大きな目標が達成しやすくなります

フェルプスがいつも行っているストレッチや食習慣などは、小さな達成感を継続的に得るためのキーストン習慣です。ボーマンは次のように説明します。

レースの前に行うことは、多くの場合フェルプスに小さな達成感を与えます。レース前にフェルプスが何を考えてるかを聞けば、特に何も考えてなかったと言うでしょう。彼は決められた動作をしているだけです。正確には、習慣に身を任せている感じです。レースが始まる前の時点で、すでに彼の計画は半分くらい完了しています。レース前のストレッチもウォームアップも、すべて彼が計画した通り。さらに、ヘッドフォンからはいつもの曲が聞こえてきます。彼にとって、本番のレースは習慣の中のひとつのステップに過ぎません。彼にとってレースに勝つことは特別なことではないのです。

キーストン習慣は小さな達成感を与えてくれます。まずは、日々の生活の中でこのような小さな達成感を得られる行動を探してみてください


2. ほかの習慣の「基礎」になること

キーストン習慣の2つ目の特徴は、ほかの習慣の基礎になることです。フェルプスが10代の頃、水泳の練習が終わるとコーチは「夜寝る前と朝起きた後にビデオテープを見るように」と言いました。

それは本物のビデオテープではなく、イメージトレーニングのことでした。毎朝毎晩、フェルプスはジャンプ台からプールに飛び込んで完ぺきに泳ぐ状態をスローモーションで想像しました。手で水をかく瞬間、プール内面の壁、ターンからフィニッシュまで。体はベッドの上にあっても、実際は泳いでいるような感覚がありました。水面から顔を出したときに口を伝う水や、レース後に水泳帽を取ったときの様子など...。ベッドの上で目を閉じて、細かい部分まで正確に、まぶたの裏に焼き付けるように何度も繰り返し繰り返し想像しました。

本番のスピードで泳ぐ練習のとき、コーチは「ビデオテープを思い出せ!」と叫びました。彼は頭の中ではすでに何千回も同じ泳ぎをしていたので、実際の泳ぎにも効果が出ていました。こうして、彼のスピードはどんどん速くなっていきました。最終的には、コーチが本番前に「ビデオテープを忘れるな」と言うだけで成果を出せるようになりました。

毎朝毎晩のイメージトレーニングというキーストン習慣によって、フェルプスは本番のレースでも冷静に泳げるようになりました。この場合、イメージトレーニングという習慣が基礎となり、冷静になることそのものが習慣化されました。


3. 人生全体にポジティブな影響があること

フェルプスのレースに話を戻しましょう。「200メートルバタフライ」の日の午前9時56分。レース開始の4分前。フェルプスはスタート台の後ろに立ち、つま先で軽くジャンプしていました。フェルプスの名前がアナウンスされたとき、彼はスタート台の上に立ってからもう一度下に降り、腕を3回振りました。これはフェルプスが本番レース前にいつもやっている行動です。フェルプスは、もう一度スタート台の上に上がり、スタートの合図でプールに飛び込みました。

キーストン習慣の3つ目の特徴、それは広い意味で人生にポジティブな影響を与えてくれることです。これは自分を改善する大きな原動力になるでしょう。

例えばフェルプスは、このレース中、水に飛び込んだ瞬間に何かがおかしいと気付きました。ゴーグルの中に水滴があったからです。どこから水が漏れているのかはわかりませんでしたが、それ以上悪化しないことをただ祈りながら泳いでいました。

しかし、2ターン目までに水漏れは悪化して視界がぼやけてきました。3ターン目に差しかかり最終ラップに入るころには、ゴーグルの中は完全に浸水していました。フェルプスには何も見えません。プールの底にある白い線も、壁が近づいていることを示すサインさえも...。ゴールまでどのくらいの距離があるのか、フェルプスには全然わかりませんでした。

ほとんどの水泳選手は、オリンピックのレース本番で視界を失えばパニックになります。

しかし、フェルプスは冷静でした

その日はそれまでのすべてが計画通りに進んでいました。ゴーグルの浸水で少し計画が狂いましたが、フェルプスはそのようなことがあってもいいように準備ができていました。

彼のコーチは、フェルプスがどんな緊急事態にも対処できるように、暗闇の中で泳ぐ訓練をさせていました。フェルプスが「ビデオテープ」を使ってイメージトレーニングをしたときも、このような問題を想像していたのです。もしゴーグルに問題が起きたらどう対処するか、事前にリハーサルができていたのです。ここで最も重要なことは、キーストン習慣によってフェルプスは自分自身の成功に確信を持っていたということです。これまで続けてきた習慣があったからこそ、どんな問題にも対処できる自信がありました

最終ラップに入ったとき、フェルプスはあと何ストロークあるか推測してカウントを始めました。彼は完全に落ち着いた状態で泳ぎ、特技のラストスパートでさらにスピードを上げました。

18ストローク目で彼はゴールを意識しました。フェルプスには大きな歓声が聞こえましたが、何も見えなかったので誰に対する歓声なのか分かりません。19ストローク、20ストローク...。あと1ストローク必要な気がしました。少なくとも、頭の中の「ビデオテープ」はそう伝えています。そして、21ストローク目、大きくて腕いっぱいの滑らなストロークのあと、ついに手が壁に届きました。タイミングは完璧でした。フェルプスがゴーグルを外してスコアボードを見上げると、そこには「WR」(世界新記録)の文字が見えました。フェルプスはもう1つの金メダルを獲得したのです。

レースの後、見えない状態で泳ぐのはどうでしたか?と記者から聞かれ、フェルプスはこう答えました。

「すべて想像通りでしたよ。」

フェルプスにとって、それは特別な出来事ではありませんでした。必ず成功するという確信があったため、金メダルの獲得は自然なことだったのです。


Charles Duhigg氏はニューヨークタイムズの記者であり、ベストセラー作家です。「キーストン習慣」や「習慣ループ」、習慣がもたらす力についてさらに理解したい場合は『Habit: Why We Do What We Do in Life and Business』をぜひ読んでみてくださいね。


Charles Duhigg(原文/訳:大嶋拓人)

 

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