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なぜオンライントラッキング拒否機能は重要なのか?
ユーザのウェブ行動の履歴を利用し、そのユーザが関心を持つであろう広告を配信する「行動ターゲティング広告(BT広告)」の功罪については、いろいろと議論されていますが、実際これはどんなもので、どのような仕組みで実行されており、何が問題なのでしょうか? こちらでは、このテーマについて採り上げてみたいと思います。
■行動ターゲティング広告とは何か?
普段は何気なく利用しているウェブサイトかもしれませんが、ウェブサーフィンしながら、ウェブページの隅をちょっとよく見てみましょう。たとえば、グーグルの広告ネットワークでは、こんなことが起こりました。
先日、自分のコーヒーで「Keurig K-Cup」を作ろうとしたのですが、コーヒーを何杯入れればいいのか思い出せなかったので、Googleで検索しました。仕事に戻ってしばらく経ち、この記事のために、Googleリーダーで米誌「Wired」の記事をリサーチしていたら、「Keurig K-Cup」の詰め替え用の広告が現れました。「Wired」の多くの読者にとって、この商品は必要なものでしょうか? もしそうだとしても、なんという偶然の一致でしょう。
ある午後、『ThinkPad 410s』と『MacBook Air』のハードウェアの仕様について、ぼんやり検索していました。するとその後、YouTubeで映画「ロボコップ」のフィルムクリップを探している時に『ThinkPad』の特別価格が画面の右側に現れました。
これらは、Cookieベースのブラウザ追跡で最もわかりやすい例です。Googleでは、キーワード検索すると、これと同じ、もしくは関連するものについて、ユーザに広告を見せる仕組みとなっています。Googleリーダーや、YouTubeにも同じ仕組みが実装されています。一般的に、これらの追跡はそれほど害はなく、ウェブ解析を利用しているウェブサイトの中で起こります。これらのウェブサイトでは、ユーザがある特定のリンク・検索エンジンからやってきて、ウェブサイト内のページを移動したり、コンテンツをクリックしたり、画像を要求するのを追跡しています。サイト所有者やコンテンツ編集者は、ウェブサイトのトラフィックがどのように流れているか? どのページでどれくらいの時間滞在しているか? といったことを知れるわけです。
■サイトや広告主はどうやって追跡しているのか?
では、具体的にウェブサイトや広告主は、オンライン上のユーザをどのように追跡しているのでしょうか?
ウェブブラウザは、ユーザのログインステータスやサイトのプレファレンスなどを保存する手段として、ウェブサイトからのCookieを承認しています。Cookieには、訪問したウェブサイトからのもののほか、このサイトが提携している広告サプライヤーによる第三者のものもあります。これらは、ウェブユーザとしてのアナタについて知っているわけです。このテーマについては、米Lifehacker記事「Fact and Fiction: The Truth About Browser Cookies(ブラウザCookieにまつわる真実・英文)」で詳しく採り上げていますので、ご参考まで。
さて、この広い広告ネットワークでは、広告販売者がユーザ習慣のプロフィールを作成し、そのユーザが購入に関心をもつだろうものを推測します。AOLでは、トラッキングの仕組みについて、次のようなペンギンのイラストでわかりやすく説明しています。
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■なぜ自分の探し物が知られることを気にしなければならないのか?
たとえば、ユーザがThinkPadについて調べているとしたら、おそらく、ThinkPadの価格に関心があるのでしょう。ThinkPadというキーワードで検索した、KeurigをDIYした、ロボコップのフィルムクリップをYouTubeで検索したといったように、長い時間を通して、検索やクリック、インプレッションの履歴が積み重ねられ、ユーザのプロフィールが作られます。これらの個人データは、ビデオゲームやAndroidケータイなどといった広告において、ターゲットとなるユーザの絞込みに利用されています。
Facebookのように、ソーシャルベースのウェブサイトやアプリケーションは、検索やクリックだけでなく、どんなものに「いいね!(Like)」と反応したか、どの友達と一番やりとりしているか、一般的な関心ごと、職業、クリックしたクーポンまで知っています。Facebookや同様のウェブサイトは、あまり害のないオンサイトベースの分析と、広告ネットワークの行動追跡の中間くらいのものといえるでしょう。
行動ターゲティングといわれるものの中で警戒すべきは、追跡そのものやウェブブラウザに関するものではなく、広告会社が入手したデータにまつわる、まだ明らかになっていない次のような点です。
- 広告ネットワークは、Cookieに設定されるユーザ固有のIDをどれだけの間、保持しているか?
- 広告ネットワークがユーザから集める情報は、どれくらいなのか?
- 追跡もしくは監視すべきでない検索、ページ訪問はあるのか?
- どのような権利に基づき、ユーザのデータを広告ネットワークが売ったり、保存したりできるのか?
■誰が自分を追跡しているのか?
カンタンにいうと、ウェブベースの広告ネットワークすべてがユーザを追跡しています。企業ごとに詳しく調べておきましょう。オンライン広告業界は、透明性を高めるために取り組んでおり、主要な広告ネットワークの多くは、データ保持や行動ポリシーについて明らかにしています。
また、「Network Advertising Initiative」や「Self-Regulatory Program for Online Behavioral Advertising」のユーザのためのオプトアウトページでは、AOLやGoogle、Foxといった、広告ネットワークを選んでクリックすることで、これらからの追跡を拒否できます。ただし、ウェブブラウザのキャッシュを消去したり、その他クリーニング操作を実行すると、追跡が再開されるので、注意しましょう。
■どこでどうすればトラッキングから逃れられるのか?
最近のウェブブラウザには、プライベートモードが搭載されています。急場しのぎという程度ならば、手段のひとつではありますが、ブラウザのプライベートモードだけでは、プライバシー保護に十分とはいきません。
『Firefox 4』では、「Tell web sites I do not want to be tracked(追跡しないよう、ウェブサイトに伝える)」というオプションが提供されます。同様の機能は、『Internet Explorer 9』(RC版)にも搭載されています。Google Chromeでは、このような機能はビルトインされていませんが、拡張機能「Keep My Opt-Outs」を使えば、キャッシュを消去しようがしまいが、広告企業などによるトラッキングの拒否が可能です。
これらは企業の自主的な取り組みであり、また、一般ユーザがトラッキングを制御するのはなかなか大変です。米連邦取引委員会(FTC)は、ウェブ上でのデータ収集を統治するのに必要な、確固たる一般ルールが必要であると提言しています。そのうちのひとつの法案が、米カリフォルニア選出のJackie Speier下院議員からなされており、有望な取り組みとみられていますが、米誌「Wired」の記事(英文)が指摘するとおり、ほとんどすべてのウェブサイトで利用されている、ウェブ解析、広告ネットワークによるトラッキング、Facebookのようなソーシャルメディアが保持する詳細な個人データといったものを、包括する法律を作るのは難しいでしょう。また、このような法律は、プライバシー方針を明文化することに前向きでない企業までには適用されないかもしれません。
もちろん、行動ターゲティング自体が必ずしも「悪」というわけではありませんが、インターネットがもはや日常の一部になっている時代だからこそ、オンライン上での自分の行動は、常に監視されているということを、改めて肝に銘じる必要はあるかもしれません。
このテーマに関する記事としては、ライフハッカーアーカイブ記事「全く何も痕跡を残さずにブラウズする方法」なども、あわせて参考にしてください。
Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)
- なぜオンライントラッキング拒否機能は重要なのか?
- Mozillaがオンライン・プライバシー機能強化へ。Firefox用トラッキング拒否機能を提案
- アナタは四六時中Facebookに追跡されている!? このリスクと対策について
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