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ライフハッカー編集部  - ,,,  10:00 PM

書評『アドレナリンジャンキー』

書評『アドレナリンジャンキー』

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Photo by laihiu


編集委員のひらたです。東京もまだまだ寒い日がつづいています。とはいっても、徐々にあたたかくなりつつあるように感じる今日このごろ、今日は春一番なんだそうです。みなさんのところはいかがですか?

今回は『アドレナリンジャンキー』の書評をお届けします。タイトルだけみると、なんかすごそうなこの本は、デマルコ本でソフトウェアプロジェクトの話です。2~3ページのウィットに富んだ小話が86個つまっていまして、気軽に読みやすかったです。
 


書名にもなっている「アドレナリンジャンキー」とは、いつも切迫した状況にあることを好む「アドレナリン中毒」の組織の話です。次から次に繰り出される緊急のプロジェクト、頻繁に繰り返されるプライオリティの変更、常に緊迫した雰囲気の中で死に物狂いで働くチーム...。普段、ソフトウェアの開発現場にはいないみなさんでもどこかで見たことがあったりする光景かもしれませんね。

86個の話は、ソフトウェアの開発現場でありそうな典型的な状況を、それぞれパターンとしてまとめています。ちょっと目次からタイトルだけを拾っていきますと、

  • 「スピード勝負」
  • 「幸福礼賛会議」
  • 「アイコンタクト」
  • 「レミングサイクル」
  • 「映画評論家」
  • 「ニュースの改良」
  • 「永遠の議論」
  • 「真実はゆっくり告げる」

などなど。勘のいい人であれば、なんとなく内容も想像できると思うかもしれませんが、わたしはいい意味で結構裏切られたので、楽しく読むことができました。個人的によかった話をちょっとだけピックアップしてみます。

「魂を貸す」という話は、長年の経験と積み上げてきたスキル、技術に魂を「売る」ことなく、技術の適用範囲を見定めて、必要であれば新しい技術を習得したり、古い技術を活用したりして、問題解決を優先することの大切さを説いています。目的と手段といってもいいとおもいますが、往々にして技術に固執してしまって問題を忘れてしまうことがあります。日々、気をつけておかないとついついやってしまいがちなので、あらためて肝に命じたいとおもいます。

また「わかりません」の話もよかったです。会議でなかなか言えない台詞の一つが「わかりません」だと思います。正直な回答が「わかりません」であればそういうべきなのでしょうけど、知らないことが恥かしいと思うと、有言、無言のプレッシャーが襲いかかり、なかなか言えるものではなくなってしまいます。

この「わかりません」という言葉がどういう意味でみんなに受けとめられるのは、組織の性格によって異なる、というのが「わかりません」の話。例えば、この言葉を安心して言えるのは信頼関係がしっかりとした組織、「やる気がない」と受けとめられる組織は、全員があらゆることに精通していることが期待されている組織、なんだそうです。ひとつのことばに込められる意味をきちんと把握することは本当に大切ですね。

と、まあ、こんな感じで、よくありそうなシチュエーションをパターン化し、ダメなパターンや良いパターンをいくつもあげていて、それらの特徴が楽しい文章で綴られています。また、それぞれのパターンにアドバイスがついていますので、ひととおりこの本を読んでおくと、あとで仕事、組織で悩んだときに、当てはまるパターンを探し、そのアドバイスを思い出して次のアクションに移れるかもしれません。

でも、たまに処方箋ナシ、と書かれている場合があるような気もしますが...。そんなときは先月紹介した『ライトついてますか』がおすすめです。

ちなみに最初の『アドレナリンジャンキー』の話ですが、そんな状況だからといって必ずしも失敗しないし、逆にアグレッシブさが功を奏してうまくいく場合もある、しかし、アドレナリンジャンキーを治療してくれる病院はない、だそうです。なんとなく思いあたる節もなきにしもあらずです。はい。


ライフハッカー[日本版]編集委員・平田大治)
 

  • ,,,,, - By

    香川博人

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