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ゲストライター  - ,  02:00 PM

「夢の仕事」という言葉に惑わされずに、本当の自分の仕事を見つけよう

「夢の仕事」という言葉に惑わされずに、本当の自分の仕事を見つけよう

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Image by Cal Newport.


MITの博士号を持つ、ブロガーのCal Newportさんが「夢の仕事とは何か?」について、自身のブログで考察していました。夢というものを美化し過ぎると、いわゆる普通の仕事がよりつまらないものに思えてしまうのではないか? というのです。


■アイビーリーグ農家

今年の初夏、CalさんはJulieさんと共にRed Fire農場での苺の収穫を祝って開かれた、夕食会に参加しました。Red Fire農場は、マサチューセッツ州の田舎にある、110エーカーのオーガニック農場で、果物畑の見える場所に張ったテントの下にテーブルがセットされていました。グラスにワインを注ぎながら、農場主のRyan Voilandさんは、その年の収穫についてポツリポツリと話し始めました。

白髪混じりのあごひげがチラついていますが、Ryanさんはまだ30代前半という若さです。口数は多くはありませんでしたが、熱心に降雨とキャベツ畑について語りました。最後は彼の奥さんのSarahさんが引き継ぎ、母なる大地に祈りましょうと促しました。苺のガスパチョを味わっていると、農場のインターンの学生たちが、ニワトリ小屋の近くの芝生で輪になって歌い始めました。

ボストンのような都会であれば、そのイベントは、信じられないほど居心地がいいものに思えたかもしれないでしょうが、マサチューセッツの田舎なら至極当然のように思えました。メインテーブルに目をやると、Ryanさんはその光景を見ながら微笑んでいました。

10年前、アメリカのアイビーリーグのコーネル大学を卒業したRyanさんは、その足で農協に行き、ローンを組んで、彼の最初の農地を買いました。10年後の今、Red Fire農場は大成功を収めています。オーガニックの農産物は、ファーマーズマーケットで直接消費者に販売され、CSA(地産地消の協会)でも売り切れています。私が最後に彼の農場に行った、今年の8月中旬には、20万ドルを掛けて太陽光パネルを設置していました。彼は自分の好きな事で成功しているのです。

 


■「夢の仕事」という言葉の罠

Ryanさんは、いわゆる「夢の仕事」を手に入れています。ここで言う「夢の仕事」とは、趣味の延長線上にあるような仕事だったり、自分が興味を持って楽しめる仕事のことです(Ryanさんは、昔から土いじりが好きだったので、自然と農場を始めた)。

「夢の仕事」という言葉には、文字通り「夢のように幸せな仕事」という魅力的な響きがあります。例えば、とある就活のマニュアル本には、冒頭に以下のようなアドバイスが書いてあります。

ニューヨークの投資銀行家は小さな大学の料理長、大学教授はショコラティエ、大企業の重役は牧師...

これらはすべて彼らの「夢の仕事」です。Tim Ferrissさんが、ブラジルでサーフショップを開くために、全財産を投げうったという有名な弁護士の話をする時は、仕事を始めるならタコ部屋で働くような酷い仕事はやめなさい、というお決まりのアドバイスに落ち着くと、相場は決まっています。

料理が好きならシェフになりましょう! チョコレート好きならチョコレート屋さんを! 南の海でいつもサーフィンしていたいならサーフショップのオーナーに!

誰もが夢の仕事に憧れます。夢の仕事の扉を開いた人の話を聞くと、自分もそうしたいと焦ります。夢の仕事を追いかけるのを励ますようなブログや、本を書いて生活している人が何百人もいるかと思えば、夢の仕事に就くことを夢見ている人は何百万人もいます。しかし今回は、それは違うのではないか? とあえて苦言を呈したいと思います。

「夢の仕事」という言葉は「仕事に対する満足度」とは別物です。その言葉は、害のない淡い夢のようなものというより、むしろまったくもって危険な言葉です。


■なりたいものは何となくしか分かっていない

1997年の『Journal of Research in Personality』という雑誌に、おもしろい研究(英文)が載っていました。ミシガン大学の、Amy Wrzesniewskiさんが率いる研究チームは、「仕事」と「キャリア」と「天職」の違いについて研究。その研究の冒頭で、驚くべき発見に関する記述があります。

その人にとっての仕事というのは、その人の特性を表しているものであり、仕事の内容自体のことではない。

つまり、その仕事が天職だと感じている人は、普通の人が仕事をする時に感じているほどは、仕事をしているという感覚があまりないかもしれないということです。例えば、Wrzensniewskiさんの研究チームは、自分の仕事を「天職」と呼ぶ人と、「キャリア」と呼ぶ人と、「仕事」と呼ぶ人の割合は、どんな仕事においても、一つの会社の同じポジションの人たちの間でも、同じくらいの割合だったのです。

約一年前にこの研究結果に触発されて、私は自分でも個人的な研究を始めました。目標は、「自分の仕事が大好き」と言っている人にインタビューすること。何人にもインタビューするうちに「自分の仕事が大好きだ」と言っている人たちの仕事の、あまりの「普通さ」にショックを受けました。

  • 公認行動分析家
  • 重役補佐
  • 牛乳屋
  • 個人トレーナー
  • 健康相談所の所員
  • オンライン倫理設計会社の会社員
  • 外国語の先生
  • コンピュータープログラマー

これらの仕事は、いわゆる「夢の仕事」と呼ばれているものとはちょっと違う気がします。これらの仕事の「普通さ」が、Wrzensniewskiさんの「自分の仕事が好きだと思っている時は、どんな職種の仕事をしているかというよりも、何をしているかの方が重要なのだ」という研究結果を裏付けています。

これが「夢の仕事」という言葉が危険だという所以です。「夢を叶える」とか「幸せになるために」というような言葉や、本があふれているせいで、仕事は「つまらない普通の仕事」か「楽しい夢の仕事」のどちらかだ、という考え方に偏りがちなのです

一度このように仕事を分けて考えてしまうと、自分が今やっている、大変でつまらなくて先の見えない仕事では、成長するために必要な、心から満足できる何かを追求しようという気がなくなっていきます。そうして、今の仕事に使うはずのエネルギーが、小さな街でワインショップを始めるとか、南の島でサーフィンを教えるというような、いつ叶うとも分からない夢を妄想することに使われていくのです。

この前提を踏まえると、今度は「今の仕事で何かワクワクするようなものを見つけて成長していくにはどうすればいいのか?」という疑問が残ります。まだこれが答えだというものは見つかっていませんが、この1年ほどブログ「Study Hacks」(英文)を読んでくれている人には、「何か希少で価値のあるものを得意とすることの重要性」(英文)そして「キャリアでお金を稼ぐことが価値あるものを生み出す」(英文)ことに集約されてきていると分かるでしょう。

Ryanさんの話をよくよく聞くと、彼は農家で生まれ育ち、園芸や農業の分野では世界的にも進んでいる大学だから、コーネル大学へ進学したのだそうです。彼の成功談からは、夢を追いかけるのに特別なことをするよりも、大変だけど、必要な難しいスキルを計画的に身につけることが、見返りの大きい分野で成功するためには重要だ、ということが分かります。

仕事自体が魅力的でなくても、仕事での満足を得るためのアイデアが、結局は人間を魅了するものです。どうか衝動的に仕事を辞めて、子どもの頃の夢を追いかけるようなことはしないでください。「夢を追いかけよう」なんて甘い言葉を捨て去ることができて、初めて、今本当に自分が求めているものを理解できるのではないでしょうか?


The Danger of the Dream Job Illusion

Cal Newport(原文/訳:的野裕子)

 

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