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ゲストライター  - ,,  12:00 PM

短労働時間、手厚い社会保障、etc. 先進国の「お手本」ドイツとは?

短労働時間、手厚い社会保障、etc. 先進国の「お手本」ドイツとは?

100827german_workers.jpgPhoto by davidChief


不況の折、失業者が増える一方で、人員削減されたオフィスでは、労働者一人一人への業務負荷がさらに高まり、長時間労働が慢性化するケースが...。この傾向は、日本だけでなく米国でも顕著で、失業者は倍増し、労働者は給与カットの中、さらなるレイオフにおびえながら、長時間労働しているとか。

では、その他の国ではどうなのでしょうか? こちらでは、手厚い社会保障と、充実した労働環境を誇るドイツの例を、採り上げてみたいと思います。

米シカゴの弁護士で『Were You Born on the Wrong Continent?: How the European Model Can Help You Get a Life』の著者でもあるThomas Geoghegan氏は、欧州、とくにドイツの仕事やライフスタイルは、オーバーワーク気味の米国にとって、学ぶべき点が多いと、説いています。たとえば、米国の平均労働時間が、1,804時間であるのに対し、ドイツは1,436時間。またドイツでは、6週間の休暇取得が義務付けられており、大学の授業料は無料、育児や介護のケアも充実しています

そこで、米ニュースメディア「Salon」では、Geoghegan氏に電話インタビューを行い、ドイツについて、大いに語ってもらいました。

 


Salon: 米国の人は、欧州人に比べて、人よりたくさん働くことを誇りに感じやすいように思います。そもそも、なぜ、米国人はそんなに働くのでしょうか?

Geoghegan氏: 歴史的な理由や、文化的な背景はありません。1960年代は、日本人に比べて、米国人は余暇を楽しむことで知られていました。1950年代や60年代に調査をしてみたら、「親の世代は、もっと休暇が多かった」と答えるでしょう。

では、それがなぜ変わったのか? Linda Bell氏とRichard Freeman氏がまとめた、ある記事によると、1990年代から状況が変化したようです。主な原因は、長時間労働を止める機能がなかったこと。ドイツや他の欧州諸国と異なり、政府のチェックもなく、過重労働に対する労働組合の監視もない。組織的なチェック機能が、なくなってしまいました。労働者は「同僚よりも、より長く働かないと解雇されるかもしれない」と感じて、長時間働くようになったのです。

Salon: 長い時間費やしても、生産性が上がるというわけではないですよね?

Geoghegan氏: はい。生産性の比率を見てみると、労働時間が短いドイツのほうが、労働時間の長い米国人よりも、効率的に仕事をこなしていると考えられます

Salon: ドイツ人と米国人を比べる意義があるのはなぜでしょう?

Geoghegan氏: ソ連崩壊以来、ドイツは、世界で最も高いレベルで、労働者をコントロールしています。2009年4月にドイツ労働省のGünther Horzetzky大臣とお会いしましたが、そのとき、大臣は「ドイツの最大の『輸出』は、『共同決定』だ」とおっしゃっていました。他の欧州諸国も、この考え方に追随しているという意味だとおもいます。

Salon: そもそも、ドイツはどうやって、これほど労働環境のよい国になったのでしょう?

Geoghegan氏: 連合国がこれを実現しました。ニューディール政策からもたらされたものもあります。第二次世界大戦後占領下におかれたドイツも、「国連人権憲章」も、ルーズベルト大統領や、ニューディーラーによって作られたものです。欧州型の社会民主主義は、これらを基にして、形成されてきました。

Salon: しかし、ドイツは米国よりもGDPが低いですよね。これはすなわち、米国人のほうが、生活のクオリティはよいということではないですか?

Geoghegan氏: 欧州の生活水準は上がっています。たしかに、1人あたりGDPは、米ミシシッピ州のほうが、ドイツのフランクフルトやハンブルグよりも高いですが、統計データだけで「ミシシッピの人は、ドイツの人の3倍裕福だ」と、判断するのは誤りです。実際に、それぞれの地で暮らしてみれば、わかります。ドイツの社会民主主義は、非常によく機能していて、先進国の唯一の「お手本」といえます。輸出産業だけでなく、環境対策にも力を入れています。

Salon: GDPにおいて、見過ごしてしまっているものは何でしょう?

Geoghegan氏: たとえば、余暇時間には、物理的な価値がありませんが、人々にとっては極めて価値のあるものです。また、欧州の公共物が実際どれだけの価値があるのか、それを算定する方法はありません。たとえば、米ニューヨーク大学の授業料が5万ドルである一方、ドイツのフンボルト大学(Humboldt University)は無料です。つまり、ニューヨーク大学はGDPに相応の金額が加算されますが、フンボルト大学はゼロです。でも、実際通うとしたら、僕ならフンボルト大学を選びます。

米国経済の多くは、廃棄物や環境破壊、都市のスプロール化などからもたらされるものも含めた、GDPをベースにしています。確かに、わかりやすい指標ですし、米国経済モデルの重要な一部ではありますが、ここ30~40年でひねくれた方向に変化してしまいました。

Salon: ドイツのような社会民主主義で、恵まれているのは誰でしょう?

Geoghegan氏: 社会民主主義は、貧困層よりも、中産階級にとってよいものです。教育が比較的行き届き、裕福な層です。たしかに、フンボルト大学での教育に対する金銭的価値はゼロです。しかし、教育を十分に受けた人が増えれば、公共の施設やシステムをよりうまく使える人が増えます。ゆえに、幅広い医療制度を設けても、きちんと機能するのです。

米国は、素晴らしい自由とオープンさがあります。僕自身も米国で生まれてよかったと思っています。ただし、「経済的成長の利益をどう享受するか?」、「生活自体を楽しみながら、生活の豊かさをどのように追求するか?」などの点をかんがみると、ドイツから学ぶべきことは、たくさんあると思います。

Salon: 米国で「ドイツ式」がうまく機能するでしょうか? 実現可能でしょうか?

Geoghegan氏: 米国には、そうとは呼んでいないだけで、実は、ニューデールやソーシャルセキュリティ制度など、「社会主義」的なものが、欧州よりも多くあります。医療制度も、ドイツのものよりもむしろ「社会主義」的です。ただ、複数のシステムが共存していて、全体のシステムとして、非常に非効率になっています。欧州諸国の医療制度はひとつなので、コストコントロールがしやすいのですが、米国の医療制度は、コストコントロールが働かず、競合する複数のシステムが共存しています。システムを一元化する必要があると思います。

Salon: トーマス・フリードマン(Thomas Friedman)の「フラット化する世界」では、「将来、すべての国が同じ土俵で競争することになり、人口密度の高い国が世界経済を支配する道が開ける」と予言しています。これに賛成ですか?

Geoghegan氏: 彼は、ドイツの存在を、どうやって説明しているのでしょう? 輸出最大国はどこでしょう?それは、最高賃金率と労働組合の規制が強い国、すなわちドイツです。ドイツは力をより強めてきました。米国にとっては、中国との競争よりも、中国にいるドイツとの競争の方が問題です。しかし、このことについて、みなあまり語りたがりません。なぜなら、米国モデル全体に疑問を投げかけることになってしまうからです。なぜ、高賃金の国が米国よりも強いのでしょう? なぜ、欧州の社会主義が米国よりも強いのでしょう? 根幹から揺るがしかねない考えゆえに、みな、口に出したたがらないのです。

もちろん、欧州型の社会民主主義が万能、というわけではありませんが、Geoghegan氏の一連のインタビューでは、個人の視点でいえば、ワークライフバランスのとり方、社会全体でみると、社会保障のあり方など、日本でも長年課題となっているポイントが、散りばめられている気がしますね。ドイツの事例は、日本にとっても学ぶべきことがありそうです。


[Salon]

Adam Pash(原文/訳:松岡由希子)

 

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