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カフェインは結局、ヒトにどんな作用を及ぼしている? 専門書の著者に聞いてみた

2010.07.15 12:00 コメント数:[ 4 ]
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100714caffeine1.jpgPhoto by rbrwr.


これだけ身近な存在なのに、実のところ、その効果や正体がなかなかつかめない「カフェイン」。ライフハッカーでもカフェインについて、様々な角度から採り上げてきましたが、「注意力向上には効果がない」という説もあれば、「脳に効くらしい」とか「運動パフォーマンスが上がる」という実験結果も...。どうやら単純なものではなく、ヒトによって、もっといえば、同じヒトでもそのときのコンディションによって、様々な作用をもたらすもののようです。

100714caffeine2.jpgさて、カフェインに関する書は数あれど、『Buzz: The Science and Lore of Alcohol and Caffeine』は、224ページという手ごろなボリュームで、科学的な見地から、カフェインについてまとめられている良書。そこで、この著者である、Stephen R. Braun氏に米Lifehacker編集部がメール取材を敢行し、カフェインについて、いろいろ聞いてみました。以下に、そのポイントをまとめてみましたので、ぜひどうぞ。

 

1: カフェインに興奮作用はあるの?

ヒトの脳とカフェインの関係については、近代科学によって、次のように解き明かされています。

100714caffeine3.jpg起きているとき、脳の神経は興奮しています。神経が興奮すると、アデノシンが分泌されます。神経システムでは、受容体を通じて、アデノシンのレベルを監視しており、脳や脊髄で、アデノシンが一定レベルに達すると、眠気を促すという仕組みになっているとか。ちなみに、ヒトには、A1、A2A、A2B、A3の4種類のアデノシン受容体がありますが、中でも、カフェインと直接結びつくと考えられているのが、A1受容体です。

100714caffeine4.jpgカフェインに似た化学物質は、体内にもありますが、8オンス(約226.8g)のストロングコーヒー(通常100mgのカフェインが含まれている)を摂ったときなど、大量のカフェインを摂取すると、カフェインは「『ニセ』アデノシン」のような作用を持つとか。アデノシン受容体は、カフェインがアデノシンと似ていることから、これと結びついてしまうそうです。

100714caffeine5.jpg

100714caffeine6.jpgさらに重要なポイントは、受容体とくっつくことで、カフェインがこの働きを活発にさせないという点です。受容体がブロックされると、ドーパミングルタミン酸といった、脳の興奮性神経伝達物質が自由に動けるようになります。つまり、カフェインは、脳に直接「アクセル」をかけているのではなく、「ブレーキ」が効かないようにして、これらの神経伝達物質をサポートしているだけなのです。よって、連日の徹夜勉強の疲れを、一掃することはできませんが、朝の眠気を引きずらないようにはできる、というわけです。

これらの効果の強さや長さは、ヒトによって異なります。また、アンフェタミンやコカインのように、直接的な興奮剤のように単純ではなく、脳にもたらす効果はとても微妙で捉えがたいものです。

2: カフェインは仕事のパワーアップに効く?

100714caffeine7.jpgドイツの作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach)は、コーヒー好きだったことで知られていますし、フランスの哲学者ヴォルテール(Voltaire)や、小説家オノレ・ド・バルザック(Balzac)らもそうでした。しかし、彼らの創作活動をコーヒーがバックアップしたとは、必ずしもいえません。

これまでの通説によると、カフェインは生産量を高めることがありますが、これは仕事のタイプによります。比較的わかりやすく、抽象的な思考が必要ない仕事をする場合は、コーヒーが量と質を高めることはあります。また、テスト対策に答えを丸暗記するときのように、叙述的な記憶であれば、カフェインは記憶力アップにつながるそうです。

テキストの校正と、カフェインとの関係を調べたある研究では、直情的なタイプの人、もしくは正確性や質よりも、スピードを優先する人において、上昇が認められたとか。また、この効果は、朝のテストでしか見受けられなかったそう。ただ、この理由は、カフェインによるものなのかもしれませんし、一日の中で朝がこの手のタスクをやりやすい時間帯、というだけかもしれません。

仕事にカフェインの効果を求めるならば、パワーではなく、スピードに期待しましょう。もしくは、カフェインは謎のものと捉えたほうがよさそうです。すでに触れたとおり、どの成分やプロセスが、いつどのように私たちに作用するか、よくわからないからです。

カフェインが脳にどう作用するか? を脳モニターで映した例としては「Current」の、以下の動画も参考になります。毎日2~3杯分のコーヒーを飲んでいる、女性リポーターの脳で「ビフォーアフター」を検証。コーヒーを飲む前は「ちょっと頭が痛い」と訴え、時折ウトウトしがちだった彼女が、コーヒーを飲むと、ノーマルな調子に戻ったことが脳の様子からも明らかになっています。

3: カフェインの効果は? 耐性は? なんで頭痛がするの?

手術のあと麻酔から醒めた患者さんの多くは、なぜ頭痛を感じるのでしょうか? ほとんどの場合、これほど長い間、コーヒーを摂らないことに慣れていないからです。

カフェインの効果はヒトによって異なりますが、平均的には、体内で5~6時間経過すると、効果が薄れてきます。ただし、経口避妊を服用している女性は、カフェインの加工が2倍長くなり、効果が持続します。女性の排卵から、月経開始までの間も同様です。一方、喫煙者は、通常の半分の時間で効果が薄れます。喫煙者がより多くコーヒーを摂取するのは、これが理由なのかもしれません。


Photo by zoghal.
カフェインを定期的に摂るようになると、カフェインへの耐性ができます。ゆえに、同じ効果を得るには、徐々に多くのカフェインが必要になるわけです。厳密にどれぐらいの期間で耐性ができるのかは、明らかになっていませんが、脳は、制御を向上させたり、より多くのアデノシン受容体を生成することで、カフェインからの「攻撃」があっても、ノーマルな機能を回復できるように働き始めます。


カフェインの定期的な摂取により、アデノシンと似た神経伝達物質ノルエピネフリンのための受容体が減少する一方、GABAの受容体が65%増加することも、わかっています。また、いくつかの研究では、カフェインを定期的に摂ると、アデノシン受容体に変化が見られたそうです。厳密には、カフェインがこれらの変化の直接的な原因とはいえません。むしろ、カフェインが「疲れた」という脳のセンサーを、正常に働かせないようにしているゆえ、脳がこの機能を正常化させるために変化していると考えられます。

1995年のある研究結果では、カフェインを毎日摂りはじめると、だいたい1週間から12日程度で耐性ができると指摘しています。また、耐性は極めて強いものです。定期的にカフェインを摂っている人を対象とする実験で、一方のグループに900mgのカフェインを摂らせ、もう一方には偽のものを摂らせたところ、18日間、気分、エネルギー、注意力がほぼ一致していたとか(このテーマについては、ライフハッカーアーカイブ記事「プラシーボ効果でノンカフェインでも目が覚める!?」もどうぞ)。

12~24時間経過すると、カフェインの禁断症状を感じ始めます。朝、コーヒーを飲むのは、これが大きな理由でしょう(詳しくは、米Lifehacker読者、microinjectionistさんのコメントも参照のこと)。脳が、カフェインのある状態で働くことに慣れているので、カフェインがなくなっても、すでに変化した受容体の働きは、これまでと同様です。頭痛は「カフェイン切れ」の全般的な作用ですが、気分の落ち込み、疲労、倦怠感、イライラ、吐き気なども、この作用のひとつと見られています。通常、10日間で、この症状はなくなるそうです。

4: カフェインの習慣から足を洗うには?

米国人は、平均1日あたり200-300mgのカフェイン(コーヒー2~3杯分)を摂っているそうですが、摂取量がコーヒー4杯以上になると、カフェインの効果は上がりません。それどころか、10杯あたりになると、コーヒーを摂っていない人よりも注意力は下がります。コーヒーは、戦略的に摂取することが賢明です。

Braun氏はメール取材の中で、こう述べています。

「即効で、効果的な刺激が必要なときにカフェインを摂れば、脳を数日でリセットすることができる。実際、私は定期的にコーヒーは摂っていない。コーヒーは好きだが、30年以上経ち、まったく効かなくなった。体中にアデノシン受容体があることが、カフェインにおいて厄介な点だ。コーヒーから抜け出すことはなく、頻繁にたくさん飲んでいたが、1年ほど前から徐々に量を減らし、いまでは朝、紅茶とミントを半々にした、お茶を一杯飲むだけになった。体の調子がよいだけでなく、脳からカフェインを無くすことができ、私は「自由」になった。」

ちなみに、米LifehackerのライターJason Fitzpatrickさんもコーヒーを止めたひとり。彼いわく、「飲み物やチョコレートなどから、摂取したカフェインの量を記録するとよい」そうです。飲み物や食べ物に、それぞれどれだけのカフェインが含まれているのかは、ライフハック系ブログメディア「Wise Bread」のこちらの記事(英文)が参考になるでしょう。カフェインとカロリーの一覧としては、チャート図「Buzz Vs.The Bulge」(以下図)も便利です。自分のレベルがわかったら、徐々に摂取量を下げていき、これを続けましょう。カフェイン依存からの脱却を期に、散歩やエクセサイズなどをはじめるのも、オススメだそうですよ。

100714caffeine9.jpg

いかがでしたか?

これまで断片的に採り上げてきた、カフェインの全貌が少しわかったような気もする一方、その謎の奥深さも実感させられますね。Braun氏へのメールインタビュー(全文・英語)は、こちらのページでご覧いただけますので、ご関心のある方は、ぜひどうぞ。

また、美味しいコーヒーが飲みたい気分になった方は、ライフハッカーアーカイブ記事「コー ヒーメーカーで淹れるコーヒーがより美味しくなる3つのポイント」や「お財布に優しい最高のコーヒーの淹れ方」なども参考に、ちょっと一服してみてみましょう。


Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)

 

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コメント(4)
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パニック障害になってからカフェイン取ると不安感が増してだめ。
コーヒーはうまいし味は好き。
飲んでる最中だけはおちつくが、飲んだあとの副作用が酷い。
周囲の人にまで当たりちらさずにはいられないほど感情の制御ができなくなる。
身近でカフェイン断ちしてる人がいたらどうぞ協力してあげて。自分も辛いし、何より周囲に当たっちゃうのがつらい。

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これでは、コーヒーのいい面と悪い面がごっちゃになってしまっている。人にもよるだろうが、カフェインの摂取の仕方の具体例が欲しかった。興奮作用があるため、精神科や心療内科で抗不安薬や鎮静作用を持つ薬をもらっている人はやはり避けるべきでしょう。

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上記のコメントにもあるように、カフェインは摂取直後に効果は得られても、その後多かれ少なかれ倦怠感等の副作用があります。
ここぞ、というタイミングで服用するには効果は得られますが、その後にそのツケを払わされる訳です(多かれ少なかれ・・服用歴・量等により個人差があるようです)。
個人的な体験では、コーヒー1L摂取した後全部戻してしまいました・・

フラボノイドを摂取出来る代わりに、鉄分の吸収を阻害するとか、やはり魔法の飲み物は、いつまでたっても、差し引き0のようです

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ドーパミンとか書いてあるけど、ドーパミンといってもどこに流れるの?
が大事。

全然頭を使うところに流れなければ意味がないし、そもそも頭の使い方が分からない人がやっても意味がない。

前頭葉の中に抽象思考とか、頭のいい部分があるけど、そこへはドーパミンの流れは遮断されていないらしい。(脳科学者から)

だからそこを使えば、カフェインを使わなくても仕事出来るなと思うよ。

カフェインはドーパミンなどを流して脳を使えるようにするけど、脳の中には危険な部位もあるわけで、そこに流れないようになっているのを変えてダダ流しにしてしまったらやばいね。
それじゃ危険な興奮剤と同じだね。

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