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SimpleStyle 第5回:ボスコム谷に射す朝日~『朝日新聞』の最新ニュースをぼ~っと眺める『asahiBrowser』
■対話を拒否する電子書籍
谷の合間から眺める朝日はきれいな気がします。
電子出版を朝日が照らす時代です。
iPad以来(あるいはそれと相前後して)、電子書籍や電子新聞、電子雑誌の話題が多いのです。
電子書籍というと、対話的な操作を頭に思い描くかたが多いようです。これは完全に誤解だと思います。紙(やコンテンツの内容)は充分に対話的なので、表面的に対話性を採り入れるのは、むしろコンテンツとの対話を疎外するのではないでしょうか。
かれこれ5000冊くらいは電子化した書籍をもつわたしです。
そのわたしに言わせれば、対話は拒否したい。GUIで1ページずつめくってみるとか、コンテンツごとに動画があって、とかいうのって、いらぬおせっかいな気がします。特に雑誌コンテンツのような場合には、ありえないんじゃないかと思うのです。ぱらぱらめくりで、おもしろそうなページを探したいです。
新聞なんかもそうで、駅のKioskにいけば、いやでも新聞のトップニュースが目に飛び込んできます。究極のpush型であるわけです。テレビのリモコンでのザッピングもおなじ。メニューから選んでなんとかみたいな、考えるところがいっぱいあってむしろ混乱するようなことをしたわけではないと思います。
RSSを使っていらっしゃる方も多いと思いますが、RSSも全文を読めるわけではないので、気になったところにたいしてアクションをして対話しないとだめなのです。
いちいちめくったり操作しないとしたら、どうやったら手抜きできるでしょうか。
■眺める時代
かつて、渡邊恵太博士が『Memorium』で眺めるインターフェースを提唱したときに議論になったことがあります。
常時PCをつけておいて眺めるのはよいのですが、その眺めるデータの「ヒット率」がどの程度か、ということです。
Memoriumは、検索語をサーチエンジンのAPIを使って検索して結果を適宜表示するシステムですから、ヒット率はサーチエンジンに依存します。
ヒット率は高いともいえるし、低いともいえます。眺めていて新しい発見をするのであれば、ヒット率が低いことを低いだけでは問題にしにくいのですが、うまく評価するのはいささかむずかしい、という感じがします。
単純に低いからだめということはないのですが、あまりヒット率が低いと、継続するモチベーションが下がるのです。だからといって、ヒット率が高すぎるのも考えものです。眺めていていろんなことをつぎつぎと思いつくと、それだけで楽しくなってしまって、普通の仕事が手につかなくなるためです。ほどほどがいいんです。
方針としてはふたつの方向性を考えることができます。
ひとつは、サーチエンジンに工夫をすることです。
もうひとつは、特定のサイトを見ることです。
■ニュースに特化する
サーチエンジンの工夫とは、たとえば検索(サーチ)エンジンじたいを自分で作るという極端なものから、てきとうなキーワードの辞書をつくって、その辞書とのヒット率を測定するなどの比較的単純なものまで、いくつかあります。
たとえば、ある特定のキーワード「イチロー」とかを登録しておいて、それに関するニュースを探す、とかいう方法は、よくあります。
もうひとつはもうすこし単純で、ニュースサイトに特化して表示して、ヒット率を高める方法です。
今回は、このニュースサイト特化タイプを試してみることにしました。
■自動めくり=スライドショウ
眺める場合の課題は、どう対話しないかにあります。すなわち自動めくりをどうするかです。
電子書籍を自動でめくることは、本のページを読むスピードは一定していないので困難だと考えられます。
いっぽうで、ニュースサイトの記事であれば、別に見逃してもあまり問題はないですから、てきとうな間隔でめくるやり方がうまくいく可能性があります。
ちょうど、新幹線や繁華街のビルに流れる電光掲示板の見出しのような感覚で、見出しだけでなく記事全体を読める、という仕組みです。
電光掲示板ものの見出しだと、キャッチーで中身を読みたくなります。これも見出しだけだとすこしフラストレーションがたまるんです。
読みたくなると対話する必要が出てきますが、中身も表示されていて、ざっと読めると、それはそれという感じで、充分に好奇心を満たされます。
究極の手抜きの方法のひとつだろうと思います。
こうしてみると、ほしいものは、自動的に全文を送信してくれて、なにもしなくても、高い密度で最新情報に触れることのできるテレビのようなメディアだ、ということがわかってきます。
■朝日新聞の最新記事をスライド表示する
今回試作した『asahiBrowser』は、朝日新聞の最新記事を、一定時間ごとにスライド形式で表示する朝日新聞専用のブラウザです。
これは、以上のようなニーズを満たすブラウザです。
すなわち、なにもしなくても、高い密度で最新情報の全文に触れることができます。
ブラウザですから、ブラウザのフル機能をもちます。
気になったことがあれば、リンクなどでコンテキストメニューで「リンクを新しいウィンドウで開」けば、スライドで気になった情報をじっくり読むこともできます。
InternetExplorerのエンジンを使っているので、最大化(あるいはウィンドウをリサイズ)すれば、単にブラウザを使って表示していることがおわかりいただけると思います。
断言しますが、ブラウザです。自動ナビゲーション機能をもつだけです。
ブラウザのページめくりの間隔は、comboboxから自由に選択できます。デフォルトは2分ごとで、20秒、30秒、1分~9分を選択できます。わたしはこのブラウザをかれこれ2年くらい使っていると思います。使ってみると、1日の朝日新聞の最新記事は、100前後のようですから、2分だと200分。おおむね3時間くらいぱらぱらと新しい記事をみている計算です。この規模だと、いかに「めく」ったり「クリック」したりするのが、ありえない前提であることをおわかりいただけるかと思います。
横目で眺めるものであって、メインに使うものではないのです。
[URL]ボタンを押すと、現在スライドする候補になっているURLを一覧して選択できます。
■機能向上とか
記事ブラウザなので、今後の課題としては、もうすこしページごとのレイアウトに対応したいなという点や、一覧のURLは、URLでなくて見出しの方がわかりやすいなと思いますが、テキストからURLを選択する方法を思いつかなかったので、今回はこのあたりでタイムアップ。
あと、記事をTwitterする機能とかもおもしろいかもしれませんが、もう6月もなかば近くになろうというのに、まだOAuth対応のめどが立っていません。大丈夫なんでしょうか。この絶体絶命のひりひりした感覚がいいですね。
Windows XPで動作テストしています。動作には、.NET Framework2.0が必要です。
アイコンは『iconspedia』のCemagraphicsさんによるNews iconを使用しました。
(美崎薫)
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